Monday, April 30, 2007

訃報/愕然

今日、ふと見た新聞広告で、池田晶子さんが2月に亡くなっていたことを知った。

えええええええええええええええええええええええええええええええええええ

信じられない…。まだ40代でしょ(46だった)?
そして、自分がこれを知ったのが、2ヶ月も後だっていうのもショックだ…。

自分が彼女の本を親の影響で読み始めたのが高校2年生の時かな。初めて読んだのは確か「残酷人生論」だった。それまで普通のお子様のように「人生の意味って何だろう」だとか「何で生きているんだろう」とか、考えてモヤモヤしていたのだけど(何とかの日記、とかいうベストセラー哲学本も読んだけど、本当に無駄だった)、これを読んで、何というか、頭をがつんと殴られた気がした。端的に言うと… 誤解されそうだから止めます。ぜひ読んでみてください。

例えば自分の「日本人観」や「時代観」「宗教観」、そして「死生観」まで、かなり大きな影響を受けている。もともと感情に流される性格ながら、「論理」至上主義なのもそう。ただ、こんなこと書いたら怒られるよな。「自分で考えなさい」って。考えます。

それから読んだのが、確か「ソクラテス」シリーズ。これもすごいよ~。「池田の口を借りたソクラテス」か、「ソクラテスの口を借りた池田」なのか。書き物としてのレベルも高かったし、わかりやすいし、何より面白かった。

その後の著作もほとんど読んだかなぁ(実家に行くと母の買った新刊がいつもある)。

「死と生きる」も「睥睨するヘーゲル」も凄かった。「14歳からの哲学」からは、売れてしまって実はあんまり読んでいないんだけど…。

時々ピントの外れたことを言っていたり(科学分野は苦手だったご様子)、反感を買うようなことを言っていたり(つい最近のこと)するんだけど、今思えば、死ぬ前に言うべきことを言っておかなければいけない、という感じだったのかなぁ。

訃報に際して、もう彼女の著作を読めない(この人の学術論文を読んでみたかった)のは勿論とても悲しい。けれど、池田氏がずっと繰り返していたのは、「死は無い」ということであった。泣かず、笑わず、考えます。