Monday, May 18, 2009

下の

心配は杞憂に終わりました。こちらも何年かに一回あるあれです。良かった。

気分転換に、というか現実逃避で、前から読みたかった「日本語が亡びるとき」by 水村美苗 を読む。超面白い、特に前半。久し振りに、睡眠時間を削って本を読んだ。

100年前の日本語と今の日本語の断絶は、自分も前から気になっていた。夏目漱石も、旧仮名だとスラスラ読むのはちょっと厳しい。一方の英語は、シェイクスピアをいつだったか原文で読まされて驚いたんだけど、400年前に書かれたのに、全然今の文法知識で読めてしまう(単語はちょーっと違ったけど)。日本語ネイティブと英語ネイティブでは、得られる情報(特に文芸)の層の厚さが全然違うんだろうな。

後半部分は論理が強引だったりもするし、同意出来ない部分もあるけど、これはなるべくたくさんの人に読んで欲しいなと珍しく思う。

「私小説 from left to right」も併せておもしろいよ。明治帰国子女的な内容や、英語表記もバンバン出てくる形式ももちろんだけど、視覚的にもすごいものがあります。大げさな表現だけど、自分は「小説」の見方が変わりました。「続明暗」はちょっと微妙だったけど、ま、そんなこともあるか~。