Friday, August 17, 2007

また本の話

お盆休みもほぼ終わりに近づき、何をしていたかというと、とりあえず実家で本読んでました。金欠なのだ!! 仕事中にはやはりなかなか本が読めないから貴重な時間だった。というわけで相変わらずの一文レビュー。しかし、どんなに本を読んでも文才の無さに変わりは無いのはどういうコトなんでしょうね。

「港町食堂」  奥田英朗
最近この人の小説ばかり読んでいたので、エッセイをトライ。とりあえず魚を食べたくなりました。息抜きに良い感じ。しかし、一番の発見は、直木賞作家でも読書に挫折するということを知ったこと。5冊に3冊の割合で挫折するらしいですよ。やほほーい。やっぱりそんなもんだよね。

「水の家族」  丸山健二
どこかで勧められていたので(後で、三浦しをんも勧めていたことを発見、さすが!)。確かに凄い…。小説の力を思い知らされました。全ての「一文」が、本質をえぐりつつ詩的に美しい(ちょっと修飾過剰な気もするけど)。「死んでよかった私がここにいる」とか。グリッサンに似ているかな。

しかし、物語の一文一文をこれだけ凄いものにしつつ、全体的な調和の取れた一冊の本にするためには、どれだけ推敲を重ねたのだろうか…。目眩がする…。自分は物書きにはなれないなあ。

「琥珀枕」 森福都
これは文句なしに面白い!! スッポンの先生、中国歴史物、妖怪、どんでん返し、涙もほろり、と、内容的につまらないはずが無いんだけど、それにもまして文章が上手くて引き込まれる。

「ドスコイ警備保障」  室積光
引退した相撲取りが警備保障会社を作りましたとさ。状況設定のおもしろさだけかなぁ。文章には特に惹かれず。

「見ないで!」  VOCE編集部
敬愛する五月女ケイ子がメインと言うことで(珍しく)購入。わはははは、これはやばいですよ。自分の隣のOL(差別語?)も、夜中に抜いた脇毛を並べてウットリしているのかと思うと怖くて堪りません。とりあえず貸すから見てください!

「ジロジロ見ないで」  高橋聖人(編)
上の本を検索中にひっかかっただけなのだけど、とても良かった。顔に障害のある人たちのルポ。個人的に街中で、(顔だけじゃなく)障害のある人から目を逸らすべきか、迷うことが最近多かったので。結局答えは出なかったんだけど…。一番最後の阿部さんの話が辛い…。

「町長選挙」 奥田英朗
まぁ、いつもどおりの伊良部節です。安心して読める。が、前2作に比べると明らかにパワーダウンしているのが残念。

「バカ博」  五月女ケイ子
敬愛する五月女ケイ子といえど、さすがにこれは理解不能でした…。

「空ばかり見ていた」  吉田 篤弘
自分にとって一番安心出来る作家かも。たまに内容薄すぎるし、これも決して名作ではないけれど、意外と胸にぐっと来たのでした。ホクトさん、いいぜよ!

「のりたまと煙突」  星野博美
香港であんなに濃かった星野さん、日本なんかで大丈夫かしら、と下世話な気分で読む。いや、日本でも濃いですね。この人の住む東京は、自分の住む東京とは似ていて非なる場所だ…。猫はここら辺にも一杯いるけど。

「三四郎はそれから門を出た」 三浦しをん
相変わらずのシヲンエッセイですね。外れではないけど、息抜きだな。

---------以下挫折----------

「花まんま」  朱川湊人
直木賞をとっていて、amazonでも好評だったので読んでみたんだけど、2話目で挫折…。うーん、痛すぎ。

「わたしたちが孤児だったころ」 カズオ・イシグロ
イシグロさんはいつか読みたいと思っていたので、amazonで好評のこれを借りてみた。10%くらいで挫折…。やっぱり翻訳ものは無理だ。推理物も無理だ。日本語で書いてくれー!

「ウェイクフィールド/ウェイクフィールドの妻」 ホーソーンとベルティ
名作、らしいので一応読んでみる。ウェイクフィールド(10ページくらい)を読み終わった時点で「妻」を読むことを断念。…これが名作?? 全く分かりません…。翻訳のせいとは思えないほどどうでも良い。